HUASHENG PRECISION · 技術ガイド / 2026年9月6日更新
板金の最小曲げ半径(曲げR)早見表と図面の確認点
板金の曲げRは、まず内側半径Rと板厚tを区別して読みます。最小曲げ半径は材質だけでは決まりません。板厚別のR/t換算、材料ごとの確認点、Kファクターと展開図の注意点をまとめました。
板厚と曲げRの早見表:R/tをmmに換算する
Rは内側曲げ半径、tは板厚です。次の表は寸法比の換算表です。材料ごとの最小許容Rや、当社の加工保証値を示す表ではありません。
表は横にスクロールできます。
| 板厚 t | R/t = 0.5 | R/t = 1 | R/t = 2 | R/t = 3 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5 mm | 0.25 mm | 0.5 mm | 1 mm | 1.5 mm |
| 1 mm | 0.5 mm | 1 mm | 2 mm | 3 mm |
| 1.5 mm | 0.75 mm | 1.5 mm | 3 mm | 4.5 mm |
| 2 mm | 1 mm | 2 mm | 4 mm | 6 mm |
| 3 mm | 1.5 mm | 3 mm | 6 mm | 9 mm |
たとえば、板厚2 mmで内側R3 mmを指定するとR/t = 1.5です。「R3」と「板厚の3倍」は異なります。外側Rや完成角度の指示も、内側Rとは別に記載してください。
材質別:最小曲げ半径を決める前の確認点
表は横にスクロールできます。
| 材質・区分 | 図面と材料資料で確認すること |
|---|---|
| A5052などのアルミ板 | 合金名に加えてO・H32などの調質、板厚、圧延方向を確認。異なる調質の値を共通の下限として使わない。 |
| A6061-T6などの熱処理型アルミ | 加工前後の調質と要求強度を確認。小さいRを要求する場合は、材料メーカーの条件に合うか先に検討する。 |
| SPCC・SECC・SGCCなど | 規格・強度区分、表面処理、板厚、外観面を確認。めっきや塗膜の状態も判定条件に含める。 |
| SUS304・SUS316など | 供給状態、板厚、圧延方向、スプリングバックを確認。鋼種名だけから一律の最小Rを指定しない。 |
| 高張力鋼板 | 正確な鋼種、強度区分、板厚、曲げ方向に対応するメーカー推奨値を確認する。 |
| 銅・真鍮など | 材料記号と硬さ・調質を確認。密着曲げやヘミングは通常の曲げと分けて検討する。 |
曲げ軸と圧延方向の関係を図示すると、材料取りと加工条件を確認しやすくなります。曲げ割れの有無だけでなく、角度、外観、穴の変形、必要な機能も完成品の確認項目です。
曲げ伸び・Kファクターと展開図
Kファクターは、内側表面から中立軸までの距離を板厚で割った値です。材料名だけで固定せず、使用する曲げ方法と実加工の条件に対応させます。CADの既定値と工場の展開値が異なるまま切断すると、完成寸法に差が出ることがあります。
- 完成図の寸法・内側R・角度を基準にし、展開図と同じ改訂番号を付ける。
- 自社で展開する場合は、使用した曲げテーブルまたはKファクターを添える。
- ベンドアローワンス(曲げ部の中立軸長さ)とベンドディダクション(外寸からの補正量)を混同しない。
「曲げ伸び表」は、材料・板厚・R・角度などの条件とセットで扱う資料です。別の金型や条件で求めた数値を、共通値として流用しないでください。
穴・フランジ・スプリングバックの確認
- 穴の位置は、穴中心なのか穴の端なのか、曲げ線なのか接線なのかを明記する。穴径を省いた距離計算だけで加工可否を判断しない。
- 曲げに近い穴・スロットは変形の確認対象。必要に応じて位置変更、リリーフ、加工順序を相談する。
- 短いフランジ、多段曲げ、箱形状では金型の支持と工具干渉も確認する。
- 図面は除荷後の完成角度を指定する。スプリングバックの補正角を全材料共通の固定値としない。
板金設備と製作サンプル
華晟精密の会社資料に掲載している設備・製作サンプルです。レーザー切断、NCT、曲げ、プレス、溶接、組立の加工方法を、図面条件に合わせて確認します。


FAQ
最小曲げRは板厚だけで決まりますか?
いいえ。材質・調質、板厚、曲げ軸と圧延方向の関係、曲げ角度、金型、加工方法で変わります。同じ材質名でも製品規格や板厚範囲が異なる表を、そのまま流用しないでください。
R/t = 1 はどういう意味ですか?
内側曲げ半径Rが板厚tと等しい、という寸法比です。板厚2 mmならR2 mmです。これは寸法の換算であり、その条件で割れずに加工できることを保証するものではありません。
曲げ伸び表とKファクターは同じですか?
Kファクターは中立軸位置を表す比率です。曲げ伸び表は、材料・板厚・R・角度などの組合せに対する展開用データです。使用するCADと工場の展開条件を合わせてください。
展開図がなくても見積もりを相談できますか?
完成形状の3Dデータまたは寸法入り図面と、材質・板厚・数量をお送りください。展開や追加資料が必要かを確認します。展開図がある場合も完成図と改訂番号をそろえてください。
技術参考資料
参考資料にある他社の設備条件や数値は、当社の加工能力を示すものではありません。
輸送方法、運賃、関税・税金の負担、通関手配は、納品先とご注文内容を確認のうえ、メールで個別にご案内します。